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発当

はつあたり
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかし、日露戦争の勃発当時にあって、長編「破戒」の稿を起すにあたって、従軍したつもりで作品に力を打ちこむと云われたと伝えられる。
黒島傳治 明治の戦争文学 青空文庫
十時過ぎの汽車で帰京しようとして沓掛駅で待ち合わせていたら、今浅間からおりて来たらしい学生をつかまえて駅員が爆発当時の模様を聞き取っていた。
寺田寅彦 小爆発二件 青空文庫
発当時その学生はもう小浅間のふもとまでおりていたからなんのことはなかったそうである。
寺田寅彦 小爆発二件 青空文庫
法医学専門の立場にいる若林君の主張と、精神病学者としての吾輩の、該事件に対する主張の中心は、事件の勃発当初からハッキリと正反対になっていて、今日に到るまでも一致せずにいることを……。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
この遺言書にも書いておいた通り、彼れ若林鏡太郎が、この事件の勃発当時に、学長の権威を利用して彼の少女を生きた亡者にしてしまって、自分の手中に握り込んだ目的がどこにあるかという事は、その当時から今日までどうしてもわからなかったのであるが、今となってみると何の事はない。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
その金庫は無論日本製のものであったが、その金庫を発見した刑事が、何かしら胡乱臭いと思ったのであろう、持っていたマリイ夫人の鍵束でコジリ廻して、出鱈目にマリイという三字の片仮名の記号を引っかけてみると偶然の一発当りで開いた。
夢野久作 S岬西洋婦人絞殺事件 青空文庫
江戸の方を見ると、参覲交代廃止以来の深刻な不景気に加えて、将軍進発当時の米価は金壱両につき一斗四、五升にも上がり、窮民の騒動は実に未曾有の事であったとか。
第一部下 夜明け前 青空文庫
外国交渉の不結果、随員の不和、言語の困難――これを一行総員百七名からの従者留学生を挙げて国を離れたことに思い比べ、品川の沖には花火まで揚げて見送るもののあった出発当時の花やかさに思い比べると、おそらく旅の末はさびしく、しかも苦い経験であったろう。
第二部下 夜明け前 青空文庫