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琴唄

ことうた
名詞
1
標準
文例 · 用例
琴唄のやうな独吟になる。
岡本綺堂 番町皿屋敷 青空文庫
その物悲しい琴唄は弾く人のあわれを歌い、あわせて聴く人の哀れを知らせるのではないかとも疑われた。
岡本綺堂 番町皿屋敷 青空文庫
僕はまだ一篇の琴唄の作者を新進の豪傑と同程度の頭脳の持ち主と思つたことはない。
芥川龍之介 佐藤春夫氏 青空文庫
「時習考」の方は、厚くなつてゐる一方のは、三味線唄ばかり集めたものであるが、まう一つ別に、琴唄ばかり集めたもので、三分の一程の分量を持つてゐるものがある。
折口信夫 地唄 青空文庫
津村はかつて、母が十七八の時に手写したと云う琴唄の稽古本を見たことがあるが、それは半紙を四つ折りにしたものへ横に唄の詞を列ね、行間に琴の譜を朱で丹念に書き入れてある、美しいお家流の筆蹟であった。
谷崎潤一郎 吉野葛 青空文庫
それは琴唄ではあるが、時には三味線に合わせてもうたう。
谷崎潤一郎 蓼喰う虫 青空文庫
ところでお遊さんのこえのよいことは前にも申しましたようにわたくし自身も聞いたことがござりましてよく存じておりますのでその人柄を知ってそのこえをおもうと今更のように奥床しさをおぼえるのでござりますが父はそのときにはじめてお遊さんの琴唄をきいて非常にかんどうしたのでござります。
谷崎潤一郎 蘆刈 青空文庫
なんでも叔母がその琴唄のすんだあとで楽屋へ会いにいきましたらまだ裲襠を着たままできょうのおさらいは琴はどうでもよいのだけれどもいっぺんどうしてもこういう姿がしてみたかったのだといってなかなか裲襠をぬぎたがらないでこれから写真をうつすのだなどといっていたそうにござります。
谷崎潤一郎 蘆刈 青空文庫