目切り
めきり
名詞
標準
文例 · 用例
臼の目切り ミカワリ考の著者として、自分が今大いに知りたがっていることは、旧十一月二十三日夜の国巡りに、大師さんが石臼の目を切ってあるかれるという伝説が、現在どの範囲にまだ残り伝わっているかということである。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫
折り目切り目とよくいうが、むかしの人には見得でなく、日常はどうでも何かの折にはくずせない「容儀」同時に「礼儀」の観念がつよかったらしい。
— 吉川英治 『紋付を着るの記』 青空文庫
見上げると朝の空を今まで蔽うていた綿のような初秋の雲は所々ほころびて、洗いすました青空がまばゆく切れ目切れ目に輝き出していた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
その歔欷り上げる呼吸の切れ目切れ目に、附添の婆さんが何か云い聞かせている気はいである。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
そうして女の冷やかな言葉の切れ目切れ目|毎に、この世のものとも思われぬ深刻な淋しさが次第次第に深くなって来た。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
でも、それは夢じゃなかったの……そうして歯を喰い締めて、一心に耳を澄ましていると、ゴットンゴットンという器械の音の切れ目切れ目に、ドド――ンドド――ンっていう浪の音が、どこからか響いて来るじゃないの。
— 夢野久作 『支那米の袋』 青空文庫
燃え上るような眼眸で斬りかかって来た女の面影を、話の切れ目切れ目に思い浮かべているうちに酒の味もよく解らないまま一柳斎の邸を出た。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
それはちょうど古い追憶の切れ目切れ目に、われともなくわれ自身を逃れ出して行く、くるしみの幾群れに見える。
— 夢野久作 『塵』 青空文庫