頼信
らいしん
名詞
標準
文例 · 用例
という電文を、田舎の家にあてて頼信紙に書きしたためながら、当時三十三歳の長兄が、何を思ったか、急に手放しで慟哭をはじめたその姿が、いまでも私の痩せひからびた胸をゆすぶります。
— 太宰治 『兄たち』 青空文庫
その頼信紙は引き裂いて、もう一枚、頼信紙をもらい受けて、こんどは少し考えて、まず私の居所姓名をはっきり告げて、それからダイサンショウミツケタとだけ記して発信する事にした。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
頼信紙をとつて、彼は先づ、「シケイヲセンコクサレタ」と書いた。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
煙草、マツチ、薬、紙、ノオト、頼信紙、万年筆、雑誌、小さな書冊、そんなやうな種類のものは、その全部でなくても、ちよつと出るにも洋服の場合は、ポケツト、和服の場合は袂や懐ろに入れておけないことはなかつたけれど、矢張何か入れ物に取纏めておく方が都合が好かつた。
— 徳田秋聲 『折鞄』 青空文庫
小学校の粗末なテエブルの上で、私はしきりに頼信紙の雛をのべていたが、庄亮君はまた絵葉書に即興の歌などを走り書きしていた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
頼宗の女は範頼の子頼信を生んだ。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
錦橋本は此頼信より起つてゐる。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
頼信十六世の孫が嵩山正直である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫