耳根
じこん
名詞
標準
文例 · 用例
得耳根円通観音妙智之玄。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
ツル子とNは、其処まで首に巻いて来た毛糸の襟巻とか耳根まで覆つてゐた頭布とか外套代りの上着とか、といふやうな、早朝だつたので余計に着込んで来た防寒のものを脱いで、軽装をした。
— 牧野信一 『山を越えて』 青空文庫
妹は耳根ツこへ寄つて承知しないらしい。
— 眞山青果 『茗荷畠』 青空文庫
長庵は素早く近寄ったが、足で死骸を確り踏むと、左の耳根から右の耳根までプッツリ止めの刀を差し、刀を持ち替え右手を延ばすと、死骸の懐中から革の財布をズルズルズルと引き出した。
— 国枝史郎 『村井長庵記名の傘』 青空文庫
「そんなにお爺ちゃんのことが気になるならおっ母さんがお内儀さんになればいいじゃないの」 こう云ってお初は耳根を真っ赤にして、袂を絞りながら二階へ駆け上っていく。
— 矢田津世子 『神楽坂』 青空文庫
酔いがまわったのか耳根をぽっと染めているおきえさんは初いういしくみえた。
— 矢田津世子 『父』 青空文庫
」コゼットはマリユスに近く寄り添って、天使のようなささやきで彼の耳根をなでた。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
――」男はギックリとして耳根まであかくなった。
— ――一名南蛮鋳物師の死―― 『青銅の基督』 青空文庫