薬料
やくりょう
名詞
標準
文例 · 用例
園はまた自分の指先についている赤い薬料に眼を落した。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
」女とお薬12・17(夕) 発明家のエデイソンがある朝、自分の実験室で、何か鳶色の薬料を乳鉢のなかで混ぜてゐると、そこへ美しい令嬢が訪ねて来た。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
エデイソンは小匙で乳鉢の薬料を一寸しやくつた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
女は牛乳を欲しがる小猫のやうに、美しい舌の先を出してその薬料を受取つた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
米やへは其前に払ひして、薬料はやる、家にあ、からつきり一文もなかつたんだよ、食べるものといつたら一とかけらだつてなくなつてさ。
— 若松賤子 『黄金機会』 青空文庫
大隅守は更に押返して、「その方、大切なる病の治療を頼みながら、全治の今日となって薬料支払を渋るとは不届千万、一身を売ってなりとも金子を調達せよ」と言うに、「仰せは畏って御座りますれど、何分にも悪病の事とて、雇われようにも雇い手これなく、誠に致方なき次第」と如何にも困り入った様子である。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
労咳病みの薬料から其の日其の日のお飯、いったい誰のお蔭で口へ入るのかおまえ知っておいでかえ」「――知っていたらどうするんだ」「そんな偉そうな口は利けまいと云うのさ、猫だって三日飼われた恩は忘れないよ」「お紋!
— 山本周五郎 『お美津簪』 青空文庫
大事に療養せい」 と、半兵衛の病を宥ることも忘れず、その功を賞して、彼には、銀子二十枚を薬料として与え、また秀吉の方へは、「このたびのこと、並々ならぬ分別。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫