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歯先

はさき
名詞
1
標準
文例 · 用例
「先刻下ろした鰻掻、歯先に掛かった黒髪から、こんな鼈甲が現われたってやつさ」「おや」 と伊右衛門は眼を見張った。
国枝史郎 隠亡堀 青空文庫
五六軒ならんだ人家をよぎると又一寸の間小寂しい畑道で、漸くそこの竹籔の向うに、家の灯がかすかに光るのを見られる所まで来て、何となし少しせいた足取りで六七歩行くと、下駄の歯先に何か踏み返してあっと云う間もなく、ズシーン、いやと云うほど尻餅をついてしまった。
宮本百合子 栄蔵の死 青空文庫
その蓮の実の菓子を彼女は一つつまんで、真白な小さな歯先でかじりながら、右手の方、初陽台のある山の峰を眺めました。
――近代伝説―― 画舫 青空文庫
姿が黒く見えたのは夕暮れのせいであって、何も穴を掘っているのではなく牛の草を刈ってるのであり、角と思ったのも実は背中に負っている草|掻きであって、その歯先が薄暮のために頭から出てるように見えたまでである。
LES MISERABLES レ・ミゼラブル 青空文庫