情知
じょうち
名詞
標準
文例 · 用例
――ロップ、一時は駄じゃれで君をメキシコ湾だと云ったが、僕の純情知ってくれたか。
— 吉行エイスケ 『飛行機から墜ちるまで』 青空文庫
今までは、春雨に、春雨にしよぼと濡れたもよいものを、夏はなほと、はら/\はらと降りかゝるを、我ながらサテ情知り顏の袖にうけて、綽々として餘裕ありし傘とともに肩をすぼめ、泳ぐやうなる姿して、右手を探れば、竹垣の濡れたるが、する/\と手に觸る。
— 泉鏡花 『森の紫陽花』 青空文庫
あのような情知らずの奴等と分らば、手ぬるく致すではなかったに、馬鹿念押して馬を成敗致すとは、奴なかなかに、味をやりおったわい。
— 三河に現れた退屈男 『旗本退屈男 第五話』 青空文庫
情知で金持で、相愛する二人を困厄の中から救い出す。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
又一面にはこれほどその為めに尽力しているのに、その好意を無にして、こういう決心をするとは義理知らず、情知らず、勝手にするが好いとまで激した。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
へん、あんまり業突張りが過ぎらあな」 五 和泉屋の晴れの披露目とあって、槙町亀屋の大浚えには例もの通り望月が心配して下方連を集めて来たまでは好かったが、笛を勤めるのが乗物町の名人又七と聞いて、思い掛けない光栄に悦んだのが事情知らずのその日の新名取り和泉屋の若旦那。
— 牧逸馬 『助五郎余罪』 青空文庫
あいつの出鱈目に乗って、のこのこ出かけたのもおいらの不覚だったが、貧乏寺の穴ぐらに、閉じこめるたあ、何という人情知らずだ――この穴を抜け出したら、この黒門町のお初の仕返しが、どんなものだか、見せてやるぞ!
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
59人情知る老人よ、早く行って、土ふるいの小童の手を戒めてやれ、パルヴィーズ*の目やケイコバード*の頭をなぜああ手あらにふるうのかえ!
— RUBA'IYAT 『ルバイヤート』 青空文庫