小切
こぎり
名詞
標準
文例 · 用例
更けゆくまゝに燈火のかげなどうら淋しく、寝られぬ夜なれば臥床に入らんも詮なしとて、小切れ入れたる畳紙とり出だし、何とはなしに針をも取られぬ。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
がらがらと表の戸のあく音が聞えて、「先生、持ってまいりました」 という若い男の声がして、「何せ、うちの社長ったら、がっちりしていますからね、二万円と言ってねばったのですが、やっと一万円」「小切手か?
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
」と、云いながら、僕は外套を脱ると、ソファに埋れて青い小切手帳を示した。
— 吉行エイスケ 『東京ロマンティック恋愛記』 青空文庫
「カァキイ色の小切手を出しましょう。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
一枚の小切手が一かたまりの紙幣となって出納口からでてくると、銀行を背負ったような女は、ふたたび銀座方面へガソリンの尾を曳いた。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
蚤取眼で小切を探して、さっさと出てでも行く事か。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
なお、お医者へは、小切手、明日、お金にかえて支払いますと言って下さい。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
かれら夫婦ひと月ぶんの生活費、その前夜に田舎の長兄が送ってよこした九十円の小切手を、けさ早く持ち出し、白昼、ほろ酔いに酔って銀座を歩いていた。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫