越河
えっか
名詞
標準
文例 · 用例
彼は手越河原の闇戦に駈け入ったまま再び味方の中へ帰って来なかった。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
淵辺伊賀守の斬り死になどもかえりみてはいられず――敵に追われどおしで、とくに手越河原では残りすくない将士をさらにたくさん失い、今川、名児耶・細川、斯波など一族子弟の討死も幾人かしれなかった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
とまれ、手越河原の難はからくも脱しえたが、矢矧までまだ四十里ほどはあった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
――そのため、まもなく仁木、細川、今川、吉良などの味方を加えるには加えたが、鷺坂のふせぎもならず、またぞろ、駿州の手越河原まで敗退するの余儀ない破目になってしまった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
矢矧川の一戦を仕損じてからは、海道の要害でも、いたる所でお味方は討ちなされ、あまつさえ、手越河原では佐々木道誉の裏切りなどもあって、残念至極ながらいかんともなしがたく」「そうだろう。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫
――その道誉は、つい先ごろには足利方として矢矧の陣にいたのであるが、手越河原の対陣のさい彼から款を通じて来たので、渡りに舟と味方に用い、以来、後ろ備えにしておいたものだった。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫