鼠取り
ねずみとり
名詞
標準
文例 · 用例
けれども一たんこの寮へわたくしが入ると、まるで鼠取りの籠の中へ鼠が入った途端に〆めたとばかり捕え主が苛め出すように、池上はすぐさま嫉妬し始めました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
よくよく聞いて見ると鼠取りの薬を売りに来たのだそうです。
— 夏目漱石 『道楽と職業』 青空文庫
あの口の中の硫黄臭いところは擬いもない岩見銀山の鼠取り……」「ふん。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
その岩見銀山の鼠取りなら昔から大抵女の仕事ときまっとらせんかなあ」「エライ。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
当節、世間で、恐いもの安政地震に、神田火事水戸の親爺(烈公)に俺が嬶浪人、ころりに、鼠取り人の女房を口説く時女郎の手管に、鈴ヶ森オランダ、アメリカオロシャ船 流しの唄が、後方に、聞えていたが、庄吉には、気がつかなかった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
それとも悪魔はよく児童をとらえたがる――鼠取りの姿を仮りて、笛の音でハメリンの町の子を誘い、それを悉くヴェゼルの河の中に落して溺れ死なしたこともある。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
鼠取りなんか、今時、誰が買ふもんか。
— 岸田國士 『ゼンマイの戯れ(映画脚本)』 青空文庫
あまり大勢になると、今度は歌を唱はせて、西洋の学生がよくやる、グース・ステツプの真似をしたり、『猫が鼠取りや、いたち」は底本では「いたち」]を追つかける』と云ふ文句を大勢で繰返し乍ら列を組んで『子盗り』の遊びもした。
— 死線を越えて 『死線を越えて』 青空文庫