感じ合う
かんじあう
動詞
標準
文例 · 用例
同じ家にいたころはまだわんぱくで、両親の愛におごっていて、憎らしいところもあったが、母が非常に愛していて、宇治へもときどきつれて来たので、そのうち少し大きくもなっていて双方で姉弟の愛を感じ合うようになっていた子であると思い出してさえ夢のようにばかり浮舟には思われた。
— 夢の浮橋 『源氏物語』 青空文庫
華やかな青春の時代を、同じ向陵の寄宿寮に過ごした者のみが、感じ合う特殊の親しみが、青年の心を湿おしたようであった。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
」 白鳥を見るだけでは少し二人の時間の長すぎたのをどちらも感じ合うと、千鶴子は矢代から放れて芝生を登った。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
真紀子は黙りつづけて窓から舞台の幕を見ていたが、一刻の魔の通過を感じ合う呼吸は、触れば今すぐにも首を落す危い植物のような刹那を二人で持ち合いますます重さを加えていくのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
正式な結婚で姉は人妻になっているとはいえ、とにかくいずれ不行儀な結果から子供が産れて来たにちがいない以上、それをお互に感じ合う瞬間が彼にはいやであった。
— 横光利一 『御身』 青空文庫
ロザリーと子供は、互から愉快ばかりを感じ合うものとして生活したのです。
— 宮本百合子 『「母の膝の上に」(紹介並短評)』 青空文庫
生の横溢が、生を飛躍しそうな感覚にまで誘う、そういう刹那に迄到達する美しさを感じ合う心と肉体というもの。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
感じ合うことだわ、そうね。
— 一九四〇年(昭和十五年) 『獄中への手紙』 青空文庫