覇王樹
はおうじゅ
名詞
標準
cactus
文例 · 用例
それは白地に覇王樹のような型を置いた浴衣を著て、手に団扇を持っていた。
— 田中貢太郎 『女の出る蚊帳』 青空文庫
その湿めらへる声の中覇王樹の蔭に蹲みて日向ぼこせる洋館の病児の如く泣くもあり。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
朽ちはてた外柱には、日あたりがよくてか、覇王樹や竜舌蘭など匍ひ絡んではゐるものの、掛け忘られた数珠の緒の二くさり三くさり、もうぼろぼろに腐れかけてる。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
元名の覇王樹、高さ一丈にあまる。
— 大町桂月 『房州の一夏』 青空文庫
覇王樹 どうでも勝手にするが好いや。
— 芥川龍之介 『新緑の庭』 青空文庫
あいにくの吹き降りで、不二見村の往還から寺の門まで行く路が、文字通りくつを没するほどぬかっていたが、その春雨にぬれた大覇王樹が、青い杓子をべたべたのばしながら、もの静かな庫裡を後ろにして、夏目先生の「草枕」の一節を思い出させたのは、今でも歴々と覚えている。
— 芥川龍之介 『樗牛の事』 青空文庫
覇王樹と戦争シヤボテンの樹を眺むれば、芽が出ようとも思はれぬ意外な辺が裂け出して、そして不思議な葉の上へ新しい葉が伸びてゆく。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
海藻から、覇王樹から、柳から、蘆から、植物は這ひ上つて来た。
— 君は何を考へるか 『釣れない時』 青空文庫