鱗雲
うろこぐも
名詞
標準
文例 · 用例
餘つた血潮は怖れをなして飛び退いた無數の鱗雲を、黄に紅に紫に染める。
— 有島武郎 『潮霧』 青空文庫
利根川の口に秋風が立って、空には日に日に鱗雲が流れた。
— 田中貢太郎 『鮭の祟』 青空文庫
その避雷針の上を横切る鱗雲を凝視していたものであった。
— 夢野久作 『けむりを吐かぬ煙突』 青空文庫
空には一面に白い鱗雲が漂うて、淡い日があたたかく照っておりました。
— 夢野久作 『卵』 青空文庫
今年発表の作品牧野信一「F村での春」「西瓜喰ふ人」「鱗雲」「山を越えて」「昔の歌留多」「藪のほとり」「雪景色」以上七篇、生活の上ではかなり努力したつもりだが斯うして題名をかぞへて見ると大変に空虚を感じる。
— 牧野信一 『今年発表の作品』 青空文庫
鱗雲牧野信一-------------------------------------------------------【テキスト中に現れる記号について】:ルビ(例)私は可怪しな気がする。
— 牧野信一 『鱗雲』 青空文庫
」 と苦悶を続けるので、私は、そつと南の空を窺ふと、卵色に晴れかゝつた空の裾に、鱗雲の片々が見えたから、安心して、「場合によつては引き受けても好いぜ。
— 牧野信一 『鬼の門』 青空文庫
白いひる間の雲、色どりの美しい夏の夕方の鱗雲のかげが、泉の上に落ちました。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫