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九尾の狐

きゅうびのきつね
表現名詞
1
標準
nine-tailed fox
文例 · 用例
その邪鬼の口供の概略をあげてみると、喬生は、伏して念う、某、室を喪って鰥居し、門に倚って独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動かし、孫生が両頭の蛇を見て決断せるに効うこと能わず、乃ち鄭子が九尾の狐に逢いて愛憐するが如くなるを致す。
田中貢太郎 牡丹燈記 青空文庫
その邪鬼の口供の概略をあげてみると 喬生は、伏して念う、某、室を喪って鰥居し、門に倚って独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動かし、孫生が両頭の蛇を見て決断せるに傚うこと能わず、乃ち鄭子が九尾の狐に逢いて愛憐するが如くなるを致す。
田中貢太郎 牡丹燈籠 牡丹燈記 青空文庫
日本の怪談は九尾の狐ばかりでなく、大抵は三国伝来で、日本固有のものは少ないのであるから、これも何か支那の小説か伝説がわが国に移植されたものではないかとも想像されるが、出所が判然しないので確かなことは云えない。
岡本綺堂 小坂部伝説 青空文庫
今日では大抵開墾されてしまって、そこには又新しい村がだんだんに出来たが、僕の少年時代にはなるほど九尾の狐でも巣を作っていそうなすすき原で、隣り村へいくにはどうしてもそのすすき原の一角を横切らなければならない。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
」 こういうと、僕の生まれ故郷の人間はひどく無知蒙昧のように思かれるかも知れないが、なにしろまだ明治十四五年頃の田舎のことで、しかもその近所には九尾の狐で有名な那須野ヶ原がある。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
それやこれやが八方に伝わって、初めの夜には喜平と銀蔵が大入道に襟首をつかんで投げ出され、その後の夜には喜平と銀蔵が九尾の狐に食われかかったなどと、途方もないことを見て来たように云い触らす者も出来た。
柳原堤の女 半七捕物帳 青空文庫
かれらに代って、大入道や九尾の狐の正体を見とどけに出かけてゆく勇士もあらわれなかった。
柳原堤の女 半七捕物帳 青空文庫
問題の白い浴衣も寒空にむかっては姿をあらわさないとみえて、その方の噂はだんだんに消えて行ったが、喜平らによって新らしく生み出された大入道と九尾の狐の噂は容易に消滅しないばかりか、それを瓦版にして売りあるく者さえ出来たので、八丁堀同心らももう棄てておかれなくなった。
柳原堤の女 半七捕物帳 青空文庫