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焼屋

やけや
名詞
1
標準
文例 · 用例
大阪へ来てから、お天気続きだし、夜は万燈の中に居る気持だし、何しろ暗いと思ったのは、町を歩行く時でも、寝る時でも、黒焼屋の前を通った時と、今しがた城の雲を見たばかりさ。
泉鏡花 南地心中 青空文庫
分けてこの二三日は、黒焼屋の蛇が売れ盛るって言います……誓文払で、大阪中の呉服屋が、年に一度の大見切売をしますんでね、市中もこの通りまた別して賑いまさ。
泉鏡花 南地心中 青空文庫
「まったくかも知れません、何しろ、この誓文払の前後に、何千|条ですかね、黒焼屋の瓶が空虚になった事があるって言いますから。
泉鏡花 南地心中 青空文庫
麻|暖簾を狭く垂らして、二階に若い男女の笑い声の聞えるお好み焼屋や、粋なそばやと見えながら洋風の窓やポーチを取付けてあるので看板を調べてみると、それは茶房。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
十歳の足で、高津神社の裏門の石段を、ある夕方、ひと日、ふた日は晴れたれど、三日、四日、五日は雨に風、道のあしさに乗る駒も、踏みわずらいて、野路病い……と、歌いながら、あわてて降り、黒焼屋の前まで来ると、「次郎ぼん、次郎ぼん」 うしろから呼び止められた。
織田作之助 わが町 青空文庫
けれども、さすがに嫂の手前気がとがめたのか、それとも、やはり一ぺん位夫婦仲の良い気持を味いたかったのか、高津の黒焼屋へ出掛けた。
織田作之助 大阪発見 青空文庫
湯豆腐屋で名高い高津神社の附近には薬屋が多く、表門筋には「昔も今も効能で売れる七福ひえぐすり」の本舗があり、裏門筋には黒焼屋が二軒ある。
織田作之助 大阪発見 青空文庫
元祖本家黒焼屋の津田黒焼舗と一切黒焼屋の高津黒焼惣本家鳥屋市兵衛本舗の二軒が隣合せに並んでいて、どちらが元祖かちょっとわからぬが、とにかくどちらもいもりをはじめとして、虎足、縞蛇、ばい、蠑螺、山蟹、猪肝、蝉|脱皮、泥亀頭、※手、牛歯、蓮根、茄子、桃、南天賓などの黒焼を売っているのだ。
織田作之助 大阪発見 青空文庫