恍ける
とぼける
動詞
標準
文例 · 用例
」と空ツ恍けるやうに、ちらと空を仰ぎながら、「とすりや、そりや俺がお前を擇んだのぢやない、俺の若い血がお前に惚れたんだらう。
— 三島霜川 『青い顏』 青空文庫
これァどうも物騒なことになりました」 印東は媚めかしく片膝を立て、残忍とも見えるほどに唇の端を皺めながら、「ハッチソンの旦那も恍けるわ。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
七年ほど前、ニュウジーランドのコプラ船の乗組をみな殺しにしたことが発覚して砲艦に村を焼かれてから、表面はおとなしくしているが、わかりさえしなけれァ、どんなひどいことだって平気でやりかねないやつらなんだ」 と恍けると、山崎は悪く落着いて、「そんなことになったら寝ざめが悪いね。
— 久生十蘭 『三界万霊塔』 青空文庫
「よせよせ、恍けるな。
— 久生十蘭 『三界万霊塔』 青空文庫
知っているくせに、恍けるのはおやめなさい。
— 久生十蘭 『我が家の楽園』 青空文庫
検校はもう七十近いので、耳は遠く眼はもとより盲いているので、近ごろは何もわからないと、自分の耄碌をよく口癖に喞っているが、(恍けることも名人) という世評があるので、吉保は、そのままを信じてもいなかった。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
」太郎丸いよいよ空トボケる。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫