鰹船
かつおせん
名詞
標準
文例 · 用例
この漕ぎ手に白羽の矢が立ったのは、鰹船で鍛え上げた三上と、舵取りの小倉とであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そして彼は小学校へ行く代わりに鰹船で太平洋に乗り出した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
沖を通っている、山のような船の中に「洋服」を着た人間が働いているのを見て、「自分も洋服を着て働きたい」というので、鰹船を捨てて、汽船乗りになったのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
旅行の時にはもう戀人のやうな伴侶で、撮影、現像、燒き付の技量も自然と巧くなつて、學校での展覽會では得意な出|品物であり、常陸の海|岸で朝鰹船の出かけを寫した印畫を或る專門家に見せた時には、どうしてもそれが中學三年生の素人である私の撮影、現像、燒き付にかゝるといふことを信じてもらへなかつた。
— ――私の寫眞修行―― 『寫眞と思ひ出』 青空文庫
そら、姉さん、この五月、三日流しの鰹船で二晩沖で泊ったっけよ。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
「うむ、大丈夫さ」 だが、力の強い、鰹船に行っていた川井がすぐ、帯剣だけで立ち上った。
— 黒島傳治 『前哨』 青空文庫
而して彼等の色彩に對する要求は之を以つて滿足せずに、汽船宿の搏風を赤く塗り、和洋折衷の鰹船の舷を群青で飾るのである。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
(一月五日夜) やや大きい額の中央に、ほんの形を現はすと云ふまでに鰹船の畫がかいてある。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫