連尺
れんじゃく
名詞
標準
文例 · 用例
……大蒜ばなれのした方で、鋤にも、鍬にも、連尺にも、婆どのに追い使われて、いたわしいほどよく辛抱なさいます。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
三人とも連尺で荷物を負うて居る。
— 長塚節 『旅の日記』 青空文庫
たまにはれんじやくと言ふ人もあるから、連尺に見立てたのだ、と言ふことは疑ひもない。
— 折口信夫 『方言』 青空文庫
八、連尺あきない このついでに今一つ、江戸の古い町の名で、東京になるまでのこっていた、神田の連雀町という地名も、もとは運送業者の住んでいたところであった。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
ふつうは連尺という字を書いて、これを背負い枠の両脇に取りつけた紐のことだといい、また山林のほうで働く人たちは、連尺はただ長いロープのことだともいっている。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
そうなった原因はいつの頃よりか、この連尺にまた小さな改良がくわえられ、繩のあまりを前のほうにまわして輪にするかわりに、べつにこれだけに両手を通す紐をつけ、それも肩にくい込むのをふせぐために、その部分の紐をひろく、布の古切れで織ったものを使いはじめたからである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
それで土地によっては連尺を背負子の手ともいい(三宅島)、あるいはまた荷繩のことだというものもある(佐渡)のである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
しかし連尺のべんりという点は、荷物がじかに背なかについて汗などでよごすことがなく、またおろしたり負ったりするのが手がるだったことで、連尺という名はもう知らない土地でも、この両手を通す紐だけはよく採用していた。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫