渓奥
けいおく
名詞
標準
文例 · 用例
ところが折々この渓奥から椀のかけらや、箭の折れたのが流れ出して来る。
— 若山牧水 『木枯紀行』 青空文庫
ポスタレシオの渓奥の、モンテ・ディスグラーツィヤ Monte Disgrazia, 3678m. も、今朝は仰ぐことは出来なかった。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫
雲は、進むにつれて薄くなって、国境に近いティラーノ Tirano で、ベルニナ・バーンの電車を待つあいだには、谷の空にはところどころ雲透きができて、ローンのブリークに似た、此の谷合いの小村から、北に入り込んだポスキヤーヴォ Val Poschiavo の渓奥には、雪の裾さえ仰がれた。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫
鳳來山登りをやめにして、今日はこれからK――君も一緒にこの溪奧に在る由案内記に書いてある湯谷温泉へ行きませう、そして其處から我等は明日山へ登り、君はこちらへ引返し給へ、若し君獨り引返すのがいやだつたら姉さんを誘はうぢやないか、と。
— 若山牧水 『鳳來寺紀行』 青空文庫
よくある話の樣に、折々その溪奧から椀の古びたのなどが流れてくる。
— 草鞋の話旅の話 『樹木とその葉』 青空文庫