閑古
かんこ
名詞
標準
文例 · 用例
憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥「日本浪曼派」十一月号所載、北村謙次郎の創作、「終日。
— ――馬をさへ眺むる雪の朝かな―― 『碧眼托鉢』 青空文庫
津々浦々の渡鳥、稲負せ鳥、閑古鳥。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
芋※の靡く様子から、枝豆の実る処、ちと稗蒔染みた考えで、深山大沢でない処は卑怯だけれど、鯨より小鮒です、白鷺、鶉、鷭、鶺鴒、皆な我々と知己のようで、閑古鳥よりは可懐い。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
何、正体を見れば、閑古鳥にしろ、直そこいらの樹の枝か葉隠れに、翼を掻込んだのが、けろりとした目で、閑に任かして、退屈まぎれに独言を言っているのであろうけれども、心あって聞く者が、その境に臨むと、山から谷、穴の中の蟻までが耳を澄ます、微妙な天楽であるごとく、喨々として調べ奏でる。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
その日々の高原の空にはほととぎす、やぶうぐいす、閑古鳥などの唄がひびいていた。
— 立原道造 『夏秋表』 青空文庫
閑古鳥や山鳩が、遠くで緩い伴奏を続けてゐた。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
定石” たくあん破れて縫うてあるもの閑古鳥よ啼け古雑誌を読みつゝ水声山色老人――“得何和”“一人を楽しむ”旅していると、一期一会をしみ/″\感じる、山を歩いてゐると和敬清寂を考へる。
— 昭和十四年 『旅日記』 青空文庫
林の中では閑古鳥が鳴いてゐた。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫