愚婦
ぐふ
名詞
標準
文例 · 用例
――つまり、『日本名婦伝』とかいう書物の中に貴下の奥さんの記事を載せたいから、などと煽て上げ、天下の愚夫愚婦から、相当な金額を絞り取り、下らぬ本を作ってはそれをまた高く売付けるという・話にも何にもならない・仕掛にかかったに違いないのである。
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
周圍の愚夫愚婦と一緒にね。
— 石川啄木 『我等の一團と彼』 青空文庫
賢婦家を興し愚婦家を亡ぼす。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫
先生がその学識文才をもって愚婦愚夫相手の戯作の筆を下ろしゃあ、それ、よく言うやつだが、一気に洛陽の紙価を高めというやつさ。
— 林不忘 『仇討たれ戯作』 青空文庫
俺は弥勒仏の産れ変わりだと称して愚夫愚婦をまどわしたそうであります。
— 国枝史郎 『雑草一束』 青空文庫
義和団事件を起したところの、彼の拳匪という奴や、一層有名な長髪賊なども、矢張り催眠術を巧みに使用し、愚夫愚婦を瞞着し煽動したものです。
— 国枝史郎 『さまよう町のさまよう家のさまよう人々』 青空文庫
怪しげな呪禁や祈祷をして、助かる病人まで殺してみたり、医者の薬を遠ざけて、ますます病気を悪くしてみたり、盛んに迷信や邪信を鼓吹して、愚夫愚婦を惑わしている、いいかげんな呪術師がありますが、ほんとうにこれは羊頭を掲げて狗肉を売るもので、あくまでそれは宗教の名において排撃せねばなりません。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
更に他の方面に例をとれば、愚夫愚婦の大衆に信奉される天理教のお婆さんは並ぶものなき偉人であらう。
— 愚者の鼻息 『貝殼追放』 青空文庫