血達磨
ちだるま
名詞
標準
文例 · 用例
血達磨のように全身|朱に染って、喘ぎながら手をついているのです。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
訥子といへば「血達磨」や「丸橋忠弥」の立廻りで、牛のやうに吼えながら牛のやうに挌闘するので聞えた男だが、あれだけの激しい立廻りをするのは、何か特別の滋養を採らなければならない。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
その内で世間の評判を聞くと血達磨の九州旅行が最も受けが善くて、この徒歩旅行は最も受けが悪いようであった。
— 正岡子規 『徒歩旅行を読む』 青空文庫
血達磨の紀行には時として人を驚かすような奇語奇文奇行がないではないが、惜しい事には文字に不穏当な処が多い。
— 正岡子規 『徒歩旅行を読む』 青空文庫
血達磨のような左膳が、かこみを切りやぶって此室まで来たのだ。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
」 築山の中腹に血達磨のごとき姿をさらして、左膳は、左剣を大上段に火を吹くような隻眼で左右を睥睨した。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
山淑の豆太郎、全身|血達磨のごときすがたで地にのたうちまわったのもしばらく、やがて草の根をつかんで動かなくなった。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
身軽に逃げのびて、日蔭に憩つてゐても、すぐ彼の隣では三尺幅の日蔭を争つて、両手片足を捩がれた男と全身血達磨の青年が低い声で唸りあつてゐる。
— 原民喜 『火の踵』 青空文庫