菊日和
きくびより
名詞
標準
文例 · 用例
年月が余り隔ると、目前の菊日和も、遠い花の霞になって、夢の朧が消えて行く。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
菊日和のよく冴えた日が幾日もつづき、百舌の鋭い暗き声が空に響き透った。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
菊日和の狸穴から、榎坂へ拔けようと言ふところを、後ろから斯う艶めかしく呼止められたのです。
— 御落胤殺し 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「親分、芝田樣と大瀧樣は一緒に歸參が叶つた樣ですよ」 フラリと訪ねて來たガラツ八が、珍らしく嬉しい便りを持つて來たのは朗かな菊日和の晝下がりでした。
— 閉された庭 『錢形平次捕物控』 青空文庫
菊日和の狸穴から、榎坂へ抜けようというところを、後ろからこう艶めかしく呼止められたのです。
— 御落胤殺し 『銭形平次捕物控』 青空文庫
八月二十八日朝千葉覚 窪田空穂先生 拝啓 菊日和のあたたかさが生命にしみ入るような快晴でうれしく感じます。
— 島秋人 『遺愛集』 青空文庫