斑なく
むらなく異読 ムラなく
副詞多音語
標準
evenly
文例 · 用例
そうしてしたくができれば、本鍛冶が、※元から鋩子さきまで斑なく真紅に焼いた刀身を、しずかに水のなかへ入れるのだが、ここが魂の込め場所で、この時水ぐあい手かげん一つで刃味も品格も、すべて刀の上あがり不あがりが一決するのだから工手は、人を払って一心不乱に神仏を念ずるのがつねだった。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
身體に斑なく、舌にも眼にも何んの變りもなく、血が一|雫も出てゐないとすると、――お粂さん、俺は白痴にされても宜いから、こんなことは氣がつきたくなかつたよ、あんまり虐たらしい」 平次はさう言つて、姉のお粂と母親のお春の方を振り返ります。
— 鬼女 『錢形平次捕物控』 青空文庫
それでいて蔬菜が底の方からむらなく攪乱されるさまはやはり手馴れの技倆らしかった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
(今逢って、居所をつきとめておかないと、また逢おうと思っても逢えやしない) 広巳は気まりの悪いことには眼をつむらなくてはならなかった。
— 田中貢太郎 『春心』 青空文庫
風は南からむらなくそよそよと吹いていたので、風と潮流とには喰違いがなく、大浪はぐうっと高まってはまた砕けずに下って行った。
— 宝島 『宝島』 青空文庫
揚幕から出て橋がかりを一ノ松まで来る間、腰をおとして一足一足すり足でむらなく進むが、身体そのものは全く動揺しない。
— 高村光太郎 『能の彫刻美』 青空文庫
しかしその結果として一面に杉苔が生い育ち、むらなく生えそろうということは、その場所にちょうどよい条件がそろっていることを示している。
— 和辻哲郎 『京の四季』 青空文庫
灰色で、むらなく塗りつぶしたカンヴァスのまんなかに、緋色の天鵞絨を切って貼りつけたような量感のある血紅色が、なんともつかぬかたちで盛りあがっている。
— 久生十蘭 『蝶の絵』 青空文庫
作例 · 標準
刷毛を使って、ペンキを板の表面に斑なく塗っていく。
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生地を焼く前に、ボウルの中で材料を斑なく混ぜ合わせるのが仕上がりのポイントだ。
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掃除機をかけて、部屋の隅々まで斑なく埃を取り除いた。
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