籟
籟
名詞
標準
文例 · 用例
あの松籟は、人の声。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
うしろの松林から松籟が起った。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
ここは武蔵野のはずれ、深夜の松籟は、浪の響きに似ています。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
枕もとに松籟をきいて、しばらく理窟も学問もなくなった。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
松籟時として波に吟ずるのみ、撞いて驚かす鐘もなし。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
万籟天地声なき時、門の戸を幽に叩きて、「通ちゃん、通ちゃん。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
汝今日の狂喜は他日汝の裏に熟して荘重深沈なる歓と化し汝の心はまさに※しき千象の宮、静かなる万籟の殿たるべし。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
万籟寂として声なく、ただ詩人が庭の煙のみいよいよ高くのぼれり。
— 国木田独歩 『星』 青空文庫