心理主義
しんりしゅぎ
名詞
標準
psychologism
文例 · 用例
東京に自分の青春なぞあると思ったのは、間ちがいだったと、私は東京の心理主義文化に歪められた自分の青春を抱いて、三勝半七のお園のように、「お気に入らぬと知りながら、未練な私が輪廻ゆゑ、そひ臥しは叶はずとも、お傍に居たいと辛抱して、是まで居たのがお身の仇」と呟いて、東京にさよならしたのである。
— 織田作之助 『東京文壇に与う』 青空文庫
物事をいやに複雑化してやに下ったり、あの人間の、このおれの心理はどうだ、こうだ、お前の不安がりようが足りないなぞと言っていた東京の心理主義にわずらいされて、遂に何ごとをも信ずることを教えられなかった私は、大阪の感覚だけは、信じた。
— 織田作之助 『東京文壇に与う』 青空文庫
けれど、思想のお化けの数が新造語の数ほどあって、しかも、どれをも信じまいとする心理主義から来る不安を、深刻がることを、若き知識人の特権だと思っているような東京に三年も居れば、いい加減、故郷の感覚がなつかしくなって来る筈だ。
— 織田作之助 『東京文壇に与う』 青空文庫
この文章を読んで感じられることは、翻訳の世界にも、相当に心理主義、懐疑主義の影が濃くはいりこんできたといふことである。
— 大波小波 『小熊秀雄全集-20』 青空文庫
今日から見れば、この書の立場は意識の立場であり、心理主義的とも考えられるであろう。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
科学主義か人間主義かと問い詰められれば、われわれは人間主義であり、人間主義が文学とどのような関連があるかを問われるなら、文学上の問題として提出された人間主義は心理主義の別名だと言わざるを得ない。
— 横光利一 『スフィンクス(覚書)』 青空文庫
畢竟バルザックは当時一風潮としてきざしはじめた人生批判なき市井生活の風俗小説の傾向によって読まれたにすぎず、ドストイェフスキーは不幸な再登場によって文学そのものの発展を混乱させている心理主義の趣好者を満足させたに過ぎなかった。
— 宮本百合子 『今日の文学の展望』 青空文庫
無論それを心理主義的というのではないが、知識の客観性といっても、認識主観の当為に立っているのである。
— 西田幾多郎 『デカルト哲学について』 青空文庫
作例 · 標準
フッサールは、論理学を心理主義から解放しようと試みた。
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心理主義は、客観的な真理を個人の主観的な意識に還元する傾向がある。
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彼の哲学は、伝統的な心理主義とは一線を画している。
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