引き息
ひきいき
名詞
標準
文例 · 用例
引き息で飛着いた、本堂の戸を、力まかせにがたひしと開ける、屋根の上で、ガラガラという響、瓦が残らず飛上って、舞立って、乱合って、打破れた音がしたので、はッと思うと、目が眩んで、耳が聞えなくなった。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
引き息で、がぶりと一口、溺るるかと飲んだ思い、これやがて気つけになりぬ。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
引き息で飛着いた、本堂の戸を、力まかせにがたひしと開ける、屋根の上で、ガラ/\といふ響、瓦が殘らず飛上つて、舞立つて、亂合つて、打破れた音がしたので、はツと思ふと、目が眩んで、耳が聞えなくなつた。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
――相州逗子に住つた時、秋もややたけた頃、雨はなかつたが、あれじみた風の夜中に、破屋の二階のすぐその欄干と思ふ所で、化けた禪坊主のやうに、※喝をくはしたが、思はず、引き息で身震ひした。
— 泉鏡太郎 『木菟俗見』 青空文庫
私は引き息で、すっくと立ち上る、と胸の鼓動が割れるばかりに高まるのを覚えた。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫