幻辞.com

横風

よこかぜ
名詞
1
標準
crosswind
文例 · 用例
適当な楽譜を得るためにはじめには銀座へんの大きな楽器店へ捜しに行ったが、そういう商店はなんとなくお役所のように気位が高いというのか横風だというのか、ともかくも自分には気が引けるようで不愉快であったから、おしまいには横浜のドーリングとかいう商会へ手紙で聞き合わしたり注文したりする事にしていた。
寺田寅彦 二十四年前 青空文庫
行くにも帰るにも確かな横風がないと決して出かけませんでした、――着くまでは大丈夫やまないと思えるようなやつですね、――そしてこの点では、私どもはめったに見込み違いをしたことはありませんでした。
A DESCENT INTO THE MAELSTROM メールストロムの旋渦 青空文庫
みわはみそのを伴れて片野の歌留多会に現れたが、母も娘も好く似た横風で他人を見降す根生曲りの上に、陰気で誰とも折合はなかつた。
牧野信一 淡雪 青空文庫
尤もそれが村の不文律を裏切つた行為であるといふのを知らなかつた者である故、あたり前なら一先づ見逃さるべき筈だつたが、日頃から私の態度を目して「横風で生意気だ。
牧野信一 鬼涙村 青空文庫
もともと、お前さんが狙はれ、水流さんにまで鉾先が向いて来たといふのは、お前さんのその短気な横風が祟つたといふことを考へて貰はなければならんのだが、今が今どう性根を入れ換へて呉れといふ話ぢやない。
牧野信一 鬼涙村 青空文庫
それは兎も角、彼はその辺一帯を占領して以来は恰で生れ変つた如き横風な人間と化して、多くの手下を引具して議員に候補したり、妾を蓄へたり、花合戦に一夜千両を賭けたりして、凄まじい大尽風を吹かすばかりか、果はあられもなく貴人を気どつて吾々などは頭から眼中にないといふ羽振りを示しました。
牧野信一 船の中の鼠 青空文庫
――見ると、あの横風な大尽が何うしたものか、部屋の隅に縮こまつてげつそりと首垂れ、大黒柱の前には鹿爪らしい別の男が、気の毒さうに彼の姿を見降してゐるのです。
牧野信一 船の中の鼠 青空文庫
』 受附の年老つた役人はさも横風に龍子の顔を睨みつけた。
伊藤野枝 監獄挿話 面会人控所 青空文庫
横風(よこかぜ) — 幻辞.com