間々ある
ままある
表現動詞-五段-ラ行-不規則
標準
to be not uncommon
文例 · 用例
劇詩若し劇界の外に於て充分の読者を占有する事を得ば、或は不可なからむ、然れども若し塲に上せられんとするに於ては、必らず幾多の不都合を生じて、之が為に折角の辛労を水泡に帰するが如き事、間々あるべし。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
窓を開けたままで寝ると、夜気に襲われ、胸苦しいは間々ある習で。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
即ち酷寒酷暑に於ける従事、或いは虫害その他についての繁雑な手当て、緻密な観察、時間的に不規則な労働に服す等の種々の場合に、努力しなければ中途で止める状態になることも間々ある理屈で、換言すれば好んで為すと云っても、その間には好ましくない事情が生じるようなことは人生に有りがちな事である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
二三日前にツイこの向うの原で鹿が鳴いたとか、三四尺の雪に閉ぢこめられて五日も十日も他人の顔を見ずに過す事が間々あるとか、丁度此処は甲州と信州との境に当つてゐるのでこの家のことを国境といふとかいふ様な話のうちに、おとなしく朝食は終つた。
— 若山牧水 『木枯紀行』 青空文庫
融は若い好子と歩くのが、ひどく人の目に立つことや、行き逢ふ人達のなかには、好子の顔や自分の顔を知つてゐる人も間々あることを意識しない訳に行かなかつたので、何となく気が差した。
— 徳田秋聲 『二人の病人』 青空文庫
」 融はさういふことから問題が大きくなつて、お互ひに後で後悔するやうなことが間々あるので、余り真剣にならないやうにしてゐた。
— 徳田秋聲 『二人の病人』 青空文庫
彼の純粋なよろこびは、ききてに忘れ難い感銘を与え、思い出すたびにこの世には祝福された金というものも間々あることを嬉しく心に味わわせる力を持っている。
— 宮本百合子 『百銭』 青空文庫
多くの男の作家志望者の中に間々あるように出世の近路をあがき求めて千鶴子が×さんや×氏に出入りした。
— 宮本百合子 『沈丁花』 青空文庫