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種々相

しゅじゅそう
名詞
1
標準
文例 · 用例
「質屋」という言葉が、特にまた生活の複雑した種々相を考えさせ、山中の一孤村と対照して、一層侘しさの影を深めている。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
これは「嘘」とは事変るが、アインシュタインの相対性原理がまだ十分に承認されなかった頃、この所論に対する色々な学者の十人十色の態度を分類してみると、この『徒然草』第百九十四段の中の「嘘に対する人々の態度の種々相」とかなりまでぴったり当て嵌まるのは実に面白いと思う。
寺田寅彦 徒然草の鑑賞 青空文庫
美しき虹を、そのまま柱にして絵かれたる、十二光仏の微妙なる種々相は、一つ一つ錦の糸に白露を鏤めた如く、玲瓏として珠玉の中にあらわれて、清く明かに、しかも幽なる幻である。
泉鏡花 七宝の柱 青空文庫
神々の間に起こったいろいろな事件や葛藤の描写に最もふさわしいものとしてこれらの自然現象の種々相が採用されたものと解釈するほうが穏当であろうと思われるのである。
寺田寅彦 神話と地球物理学 青空文庫
におい、響き、移り、おもかげ、位、景色などというのも畢竟はこの潜在的連想の動態の種々相による分類であるに過ぎないと思われる。
寺田寅彦 俳諧の本質的概論 青空文庫
日本の自然 日本における自然界の特異性の種々相の根底には地球上における日本国の独自な位置というものが基礎的原理となって存在しそれがすべてを支配しているように思われる。
寺田寅彦 日本人の自然観 青空文庫
「春雨」「秋風」というような言葉は、日本人にとっては決して単なる気象学上の術語ではなくて、それぞれ莫大な空間と時間との間に広がる無限の事象とそれにつながる人間の肉体ならびに精神の活動の種々相を極度に圧縮し、煎じ詰めたエッセンスである。
寺田寅彦 俳句の精神 青空文庫
「少々拝見を、」と云って、樹島は静に土間へ入って、――あとで聞いた預りものだという仏、菩薩の種々相を礼しつつ、「ただ試みに承りたい。
泉鏡花 夫人利生記 青空文庫