畑弄り
はたけいじり
名詞
標準
文例 · 用例
それに生れつきお酒がお嫌いで、大の甘党でおいでになりましたので、私が十歳にもなりました時は、よほど胃のお工合がわるく、保養のためといってよく畑いじりをしておいでになりましたが、そのせいかお顔の色が大変黒くて、眉毛の太い、お眼の切れ目の深い、お口の大きい、武士らしい怖い顔のお方で御座いました。
— 夢野久作 『押絵の奇蹟』 青空文庫
私が今、私の少年時代における父の姿をしのぶ時、それは炬燵にあたっている姿か、さもなくば畑いじりの姿である。
— 堺利彦 『私の父』 青空文庫
畑いじりつつ、ものを考えるほど畑仕事に習熟していないというのも事実ね。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
四方山の話をして六時頃寿引上げかけたら、酒やで福神漬を売るから月番よろしくとのことで、わたしは日のかげったときゆっくり畑いじりしてみようと思っていたのに、其ではと大鍋をもって寿送りかたがた出かけました。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
私は碁ばかりでなく一切趣味のない男で、植木や畑いじりぐらいの楽しみがせいぜいだね。
— 坂口安吾 『中庸』 青空文庫