脇床
わきとこ
名詞
標準
文例 · 用例
脇床=洒脱な松皮菱の花器に、鹿鳴館時代の華奢を偲ばせる黄ばら。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
そして机の傍らの脇床に置いた。
— 牧野信一 『心象風景(続篇)』 青空文庫
脇床の違い棚に積まれてあるのは、帙入の古書や巻軸であった。
— 国枝史郎 『銅銭会事変』 青空文庫
見れば背後の床ノ間に、倍実筆の山水の軸が、大きくいっぱいに掛けられてあり、脇床の棚の上には帙に入れられた、数巻の書が置かれてあり、万事正式の布置であって、驚くことはなかったが、ただ一つだけ床ノ間に、陰陽二張の大弓と、二十四條の箭を納めたところの、調度掛が置いてあったことが、正次の眼を驚かせた。
— 国枝史郎 『弓道中祖伝』 青空文庫
あるかなしかにともされた灯で、別殿の奥の寝室は、淡い桃色にほのめいてい、引き廻されている銀屏風や、その中に豊かに華美に艶かしく、敷き設けてある夜の衾や、脇床に焚きすてて置いてある、香炉などを朧ろに見せていた。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
古びてはいるが貼り雑ぜの襖、脇床を持った床の間には、呉春の軸がかけてあり、部屋の隅に立ててある二枚折れの屏風、それには荻生徂徠の書が、落款も鮮かに記されてある。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
庭からは夜風に木の葉の片寄る、サラサラという音が聞こえ、部屋の中には脇床に置かれた、藤四郎作らしい田家の形の、小形の香炉から香の煙りが、一筋立って揺れていた。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫