底深い
そこふかい異読 そこぶかい
形容詞
標準
very deep
文例 · 用例
どういふつもりで付けたのかまだ訊ねてみないが、僕が勝手に想像する所では、無口でそつとしておいて貰ひたい男が、誰でもが多かれ少なかれ感じてはゐても余りに底深い、流れだとして殆んど全く触れないで過ぎる態の非情を、人目にも立たず浚渫してゐるといつた風の心得であらうと思ふ。
— 中原中也 『詩集 浚渫船』 青空文庫
私と向ひ合つた怜悧な眼付はどんよりとして底深いところから静かに実に不審な病夢を見てゐるのである。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
人間の歴史などからは受けることのできない底深い悲壮な感じに打たれた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
物言はぬ人のみ住んでゐるかとばかり森閑としてゐる秋の真昼の山村の空気を揺がして、其処には音とも声ともつかぬ、遠いとも近いとも判り難い、一種の底深い騒擾の響が、忘れてゐた自分の心の声のやうな親みを以て、学校教師の耳に聞えて来た。
— 石川啄木 『道』 青空文庫
午後の二時三時になると、まっ白い雲の光までが底深い金色にぎらぎらした、どんな油絵具でも、あの強烈な光は出せなそうに思えた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
「陰獣」では、その読者を引っかけて、引きずり込んで行く、新らしい蜘蛛の糸のような底深い筆のネバリと、飜弄自在なトリックに恐れ入りつつ、その脚色の末尾のドンデン返しの一節に到って「牛鍋」の中から「牛の毛」を発見させられた程度の残念さを、シミジミ味わせられた事でした。
— 夢野久作 『江戸川乱歩氏に対する私の感想』 青空文庫
お葉は目を明けたまゝ、底深い海底でもきはめるやうに、灰色の天井を身ゆるぎもせず、見つめたまゝ、『お母さん!
— 素木しづ 『青白き夢』 青空文庫
何故かと言へば、人間はいくら見詰めたとて、いくら解剖したとて、さうした処の境地では到底深いところに入つて行くことが出来ないからである。
— 田山録弥 『批評的精神を難ず』 青空文庫
作例 · 標準
彼の言葉の裏には、底深い悲しみが隠されていた。
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底深い森の中には、まだ見ぬ生き物がいるかもしれない。
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その湖は底深く、神秘的な雰囲気を漂わせている。
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