拠ん所
よんどころ
名詞
標準
文例 · 用例
外の事ではございませんが、今度手前共の主人が、拠ん所ない事情から、買入れました、此方の御主人に対する証文の中、一部の期限が明日に当つてゐますから、是非ともお間違なくお払ひ下さるやうに、当方にも事情がございまして、何分御猶予いたすことが出来ませんから、そのお積りで、お間違のないやう。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
外の事ではございませんが、今度手前共の主人が、拠ん所ない事情から、買入れました、此方の御主人に対する証文の中、一部の期限が明日に当っていますから、是非ともお間違なくお払い下さるように、当方にも事情がございまして、何分|御猶予いたすことが出来ませんから、そのお積りで、お間違のないよう。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
で拠ん所なく今日からは私が……」云々。
— 「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について 『我が圓朝研究』 青空文庫
「しようがないから」「どうすることもできないから」「よんどころないからあきらめている」というような心持ちで、いかにもつまらない冷やかな家庭を作っていねばならないのか、ああ考えるのもいやだ……。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
結局よんどころないと云う事で、自分は母と一緒に出掛けることになった。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
よんどころなく私はシネマの伴奏のような諷刺的な説明をはじめた。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
なんだか判らないので、お徳もよんどころなしに起ちあがった。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
今更それは嘘だとも云えない破目になって、よんどころなしに表へ出たが、もとより越前屋へ行くわけには行かない。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫