至重
しじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
あるいは富山に赴き、高岡に買われ、はた大聖寺福井に行き、遠くは故郷の新潟に興行し、身を厭わず八方に稼ぎ廻りて、幸いにいずくも外さざりければ、あるいは血をも濺がざるべからざる至重の責任も、その収入によりて難なく果たされき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
況んや本件の如き國家の安危に至重至大の關係を有するものに於てをや。
— 石川啄木 『日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象』 青空文庫
即ち汝の生るるとより、父の臨終まで読誦せられたる至重至尊の経典なり。
— 北一輝 『子に与ふ』 青空文庫
時珍より約千五百年前に成ったローマの老プリニウスの『博物志』は、法螺も多いが古欧州|斯学の様子を察するに至重の大著述だ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
この奥にこそ人生の最大至重のものあるなれ。
— 北村透谷 『各人心宮内の秘宮』 青空文庫
「父たるの権威を擁して、しこうしてすでに自覚に入れる児の思想に斧鉞を置かんとす、これ実に至大至重の罪悪也。
— 大杉栄 『獄中消息』 青空文庫
男女の関係は人生に至大至重の事なり。
— 福沢諭吉 『日本男子論』 青空文庫
男女両性の関係は至大至重のものにして、夫婦同室の約束を結ぶときは、これを人の大倫と称し、社会百福の基、また百不幸の源たるの理由は、前に陳べたる所を以て既に明白なりとして、さて古今世界の実際において、両性のいずれかこの関係を等閑にして大倫を破るもの多きやと尋ぬれば、常に男性にありと答えざるを得ず。
— 福沢諭吉 『日本男子論』 青空文庫