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西寮

せいりょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
俺が初めて来た折は、西寮の小使部屋へ持つて行かれたのさ。
尾崎放哉 俺の記 青空文庫
西寮十二室といふ私共の室には、新入生は県会議員の息子と三等郵便局長の息子と私との三人で、それに二年生の室長がゐたが、県会議員や郵便局長が立派な洋服姿で腕車を乗り着けて来て室長に菓子箱などの贈物をするので、室長は二人を可愛がり私を疎んじてゐた。
嘉村礒多 途上 青空文庫
二年になると成績のよくないものとか、特に新入生を虐めさうな大兵なものとかは、三年生と一緒に東寮に移らなければならなかつたが、私は運よく西寮に止まり、もちろん室長でこそなかつたにしろ、それでも一年生の前では古参として猛威を揮ふ類に洩れなかつた。
嘉村礒多 途上 青空文庫
或日食堂への行きずりに私の袖をつかまへ、今日われ/\皆で西寮では誰と誰とが幅を利かすだらうかを評議したところ、君は温順さうに見えて案外新入生に威張る手合だといふ推定だと言つて、私の耳をグイと引つ張つた。
嘉村礒多 途上 青空文庫
私は他の室長でない二年生同様にさびしく室に居残るのが当然であるのに、家柄と柔道の図抜けて強いこととで西寮の人気を一身にあつめてゐる佐伯の忠実な、必要な、欠くべからざる腰巾着として鉄拳制裁や蒲団蒸しの席につらなることが出来た。
嘉村礒多 途上 青空文庫
三日おいて其日は土曜の放課後のこと、舎監室で会議が開かれ、ピリ/\と集合合図の笛を吹いて西寮の二年生全部を集めた前で、旅行中の校長代理として舎監長の川島先生が、如何に鉄拳制裁の野蛮行為であるかを諄々と説き出した。
嘉村礒多 途上 青空文庫
バスを待っていると、西寮の舎監が、着流しに帯つきの姿で、四五人の予科の生徒と一緒に出て来た。
宮本百合子 雑沓 青空文庫
はる子が目ざして行った西寮のあたりから、井戸のモータアの音がして、四辺はまとまりのない低いざわめきに満ちている。
宮本百合子 雑沓 青空文庫