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空也餅

くうやもち
名詞
1
標準
chunky mochi made with half-polished rice, stuffed with red bean paste
文例 · 用例
この小説では前歯の欠けた跡に空也餅が引っかかっていたことになっているが、そのころ先生のお宅の菓子鉢の中にしばしばこの餅が収まっていたものらしい。
寺田寅彦 自由画稿 青空文庫
主人はまたやられたと思いながら何も云わずに空也餅を頬張って口をもごもご云わしている。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
これもちょうど明ければ昨年の暮の事でしかも先生と同日同刻くらいに起った出来事ですからなおさら不思議に思われます」「こりゃ面白い」と迷亭も空也餅を頬張る。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
欠けた前歯のうちに空也餅が着いている。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
「御話は違いますが――この御正月に椎茸を食べて前歯を二枚折ったそうじゃございませんか」「ええその欠けたところに空也餅がくっ付いていましてね」と迷亭はこの質問こそ吾|縄張内だと急に浮かれ出す。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
今だに空也餅|引掛所になってるなあ奇観だぜ」「歯を填める小遣がないので欠けなりにしておくんですか、または物好きで欠けなりにしておくんでしょうか」「何も永く前歯欠成を名乗る訳でもないでしょうから御安心なさいよ」と迷亭の機嫌はだんだん回復してくる。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
中途で茶の間へ逃げ込んで来た円遊、例の大きな鼻の頭の汗をふきながら、「驚いた驚いた、こんな苦しいことはねえ、こっちが凄味をつけてやっていても、肝腎のところでどっと来るのだからやり切れねえ、もう怪談は懲り懲りだ」と空也餅をやけに頬張る。
山本笑月 明治世相百話 青空文庫