年若
としわか
形容動詞名詞-の形容詞名詞
標準
young
文例 · 用例
寒い間は休んで今年若葉の出る頃から此の秋迄に十五六枚か、事によると二十枚程の畫布を塗り潰した。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
年若い芸者を二人連れた若旦那の一組がコーヒーをのんでいる。
— 寺田寅彦 『千人針』 青空文庫
私は私より少しでも年若く、私より更に新らしく生れて来た二つの相似た霊魂の為めに祝福し、更に甚深な肉親の交歓に酔ふ。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
年若くして逝つたものの傳説が、夭折者のまはりをとりかこむ人言が、彼等を覆ひかくすほどの長い歎きが、彼等を呼びかへさうとする聲、自然のなかにまで彼等を求めてやまない古代的な叫びが、――その歌のなかに彼等は一しよに入れられながら、互の姿を見ることのないあのリノス挽歌が。
— 「そしてこの稀有で、偉大で、しかも果敢ないもの、一個の詩人」 『モオリス・ド・ゲラン』 青空文庫
まだ年若な文學志望の人達の中に武者小路實篤を眞似るとか、久保田万太郎を模倣するとかいふのがよくあるが、完全に似せ得るものでもないし、またそんな文章に、言ふならば、作者或は筆者の人格なり氣質なりの現れ出ない贋造の文章に文章としての生命や面白味は全然ないのである。
— 南部修太郎 『氣質と文章』 青空文庫
」と私を呼びかけましたので私もちょっと驚きましたが、元来私の当時教師を勤めていた町はごく小さな城下ですから、私のほうでは自分の教え子のほかの人をあまり知らないでも、土地の者は都から来た年若い先生を大概知っているので、今この子供が私を呼びかけたも実は不思議はなかったのです。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
生命と死などいう問題が、年若い私の心に深い深い哀しみを起こしました。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
』小説は何時でもこんな風に初まるもので、批評家は戀の小説にも飽き/\したとの御注文、然し年若いお互の身に取つては、事の實際が矢張りこんな風に初るのだから致し方がない。
— 国木田独歩 『湯ヶ原より』 青空文庫