継穂
つぎほ
名詞
標準
文例 · 用例
(早く、お帰り、)と、継穂がないわの。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
「まるで寒夜に千鳥でも聴きに来たようだ」 とか、「元禄の頃、こゝから斜の向う河岸の辺に深川の芭蕉庵があったらしいんだよ」 とか池上は、話の継穂に困ったらしく、娘のわたくしには何の興味もない事柄を不揃いに喋ります。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
とまで尋ねるでもないから、そのままにしましたが、一体何となく継穂のない、素気ない返事だと思ったんですが、もっともだ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
(話に継穂がなく、二人は黙って烟草を吸っている。
— 岡本綺堂 『影』 青空文庫
ただ異る点は、自然科学に対して、終局に於て宗教的である処の非科学的な継穂を与えることによって、之を「基礎づける」と称し、わずかに自然科学との連帯の責を塞いでいるということだけである。
— 戸坂潤 『現代哲学講話』 青空文庫
話の継穂を探そうと夢中になりながら、「それにしても、もう、どれくらいになるかしら。
— ぬすびと 『キャラコさん』 青空文庫
「お前一人かえ」「え」 二人は肩を並べるように、中坂を同朋町の方へ降りたのですが、妙に話の継穂を失って、しばらくは黙りこくっていたのでした。
— お篠姉妹 『銭形平次捕物控』 青空文庫
お静はそれを迎えて、薄い座布団を出したり、七輪の下を煽いだり、いそいそととりなしておりますが、話の継穂を失って、二人の客は暫らくは黙って潮時を待っております。
— お六の役目 『銭形平次捕物控』 青空文庫