酔い醒め
よいざめ
名詞
標準
文例 · 用例
あの朝は酔い醒めで、暗いうちから眼が醒めておったものじゃが、あの辺は知っての通り森閑と静まり返っておるのに、足音一つ、人声半分聞かんじゃった。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
先刻一蝶と約束した、読み込みの句が出来ないからで、禿の置いてあった酔い醒めの水を立て続けに三杯まで呑んで見たが、酔いも醒めなければ名案も出ない。
— 国枝史郎 『紅白縮緬組』 青空文庫
――いや、お犬様がお通りじゃ』 哄笑しながら、路傍の石井戸へ寄って、『紙屋、酔い醒めが欲しゅうなったな』『いろいろなことを仰しゃる。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
」「味が違います……酔覚めの煙草は蝋燭の火で喫むと極ったもんだ。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
酔覚めの水が欲しくて気が付いた時は、救助船カルパセア号の暖い寝台に居たと言うのだ。
— 牧逸馬 『運命のSOS』 青空文庫
冷々とした朝風に思わず酔覚めの首を縮めて、紺結城の襟をかき合せながら藤吉は押黙って泥濘の道を拾った。
— 三つの足跡 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
暁の咽喉がかわいたから、酔覚めの水を飲みたいつもりで、山を下りて、この湖辺まで来たのですが、さて、飲もうとして汀に跪いて見ると、その湖水の色がみんな血でありました。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
今初まッた事では無いが、先刻から酔醒めの気味で咽喉が渇く。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫