幻辞.com

牛糞

ぎゅうふん
名詞
1
標準
cattle manure
文例 · 用例
草原の草を縛り合わせて通りかかった人を躓かせたり、田圃道に小さな陥穽を作って人を蹈込ませたり、夏の闇の夜に路上の牛糞の上に蛍を載せておいたり、道端に芋の葉をかぶせた燈火を置いて臆病者を怖がらせたりと云ったような芸術にも長じていた。
寺田寅彦 重兵衛さんの一家 青空文庫
牛糞に汚れ切つたその姿にも冬の蟄居の長さと辛さが裏書きされてゐる。
有島武郎 青空文庫
水がまかれ牛糞や石ころはきれいにとりのけられ、また白い石英の砂が撒かれました。
宮沢賢治 四又の百合 青空文庫
牛糞みたいな乳房が垂れ下がり、黝ずんだ裳の裾から両足はぐんなりと投げ出され、その肩は滑かな弧を描いていた。
金史良 土城廊 青空文庫
ヒンヅ教の一寺院を訪うて見たが、屋上にも堂|前にも牝牛の像を祀ること恰も天神様の前の如く、牛糞を塗つた四五人の僧は牛皮の靴を穿いて居る僕等を拒んで堂内に入れ無かつた。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫
中央部は土間のままで、竃と燃料に乾燥させた牛糞の籠とを据ゑて炊事を為し、火を焚いて暖を取る。
附 満蒙の歌 満蒙遊記 青空文庫
巌神観牛馬市巌神四月開牛会 ※心腸黒於牛 那因顧我窮民憂 願使牛価不太貴 貧農深耕戸々秋 拍手声裡各牽掣 子母相別呼且答 牟々東西去尽後 市上畳余牛糞塔 山間小市街の一風俗画、光景さながら指点する如くである。
中村憲吉 頼杏坪先生 青空文庫
彼の部屋は、いつでも牛糞の臭ひが溜つてゐるが、這入つて見ると、あちらに手風琴が転がつてゐるかと思ふと、こちらにはバイオリンが転がつてゐるといふ風で、なんとなく埋づもれた名音楽家を感じさせられる。
北條民雄 牧場の音楽師 青空文庫