隠花
いんか
名詞
標準
文例 · 用例
見ているとそれぞれ女たちは隠花植物のように自分の位置から動かぬままにも、どこか湿った楽しみに耽っている眼差しである。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
そして、へら歯朶やまんねん草の類ひの隠花植物が絨氈のやうに蔓つてゐた。
— 牧野信一 『繰舟で往く家』 青空文庫
だが僕は自らすゝんで採集の野へ立ち向ふ程の気力も失せて、稍ともすれば森蔭や水ふちの隠花植物のはびこつた日蔭に蹲つて、果てしもない嘆きの身柄を持ち扱ふばかりであつた。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
川村清一博士の『食菌と毒菌』ならびに『日本菌類図説』、朝比奈|泰彦博士監修の『日本隠花植物図鑑』、または広江勇博士の『最新応用菌蕈学』等の諸書にはこの楯形を呈した品すなわち forma は一向に書いてないところをもってみると、菌学者もあまりこれを見ていないようだ。
— 牧野富太郎 『植物一日一題』 青空文庫
一体植物界は隠花部と顕花部との二つに大別せられています。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
今これをお正月のシメ飾りから言いますと、上の隠花植物の代表としてウラジロがあります。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
殊に隠花植物方面では植物に漢名の無いものが普通であるから勢いカナを用いるより外良策は無いのである。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
そしていつの間にか且8氏の温室には隠花植物が花を咲かしていた。
— 李箱 『且8氏の出発』 青空文庫