将分
しょうぶん
名詞
標準
文例 · 用例
この村に狩人渡世をしている者は、おれのほかに三人あるが、そのなかでもおれは浪人、以前は武士であるというので、こういう時には大将分に押立てられて、何かの采配を振らねばならない。
— ――Were-Wolf―― 『人狼』 青空文庫
さなきだに三年間の全盛時代を経過して、観客もすこしく飽きかかって来たところへ、一方の大将分を突然にうしなったということが確かに彼らの痛手であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
ところが、このおまんという奴は女郎あがりの腕の凄い女で、石田と水野と全達と全真の四人をみんな巧く丸め込んで、自分がこの四人組の大将分のようになってしまったんです。
— 十五夜御用心 『半七捕物帳』 青空文庫
真柄父子を始めとし、前波兄弟、小林瑞周軒、竜門寺、黒坂備中守等大将分多く討死した。
— 菊池寛 『姉川合戦』 青空文庫
藤堂の討手で藤井新八郎というのがこの大将分で、兵馬はその手に加わって、今この山奥深くたずね入り来ったのは、たしかに鷲家口から逃れた一隊の浪士の中に机竜之助がいると見定めたからであります。
— 竜神の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
大将分らしい猩々の音声は、清く澄みわたって、水の滴るような若さがある。
— 白骨の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
もう大丈夫とにらんで、能勢の妙見さまへ参詣するから、村の者数名にお供を命じると云って、鐘をついて竹槍さげて押寄せた大将分らしい奴だけ選んでお供を命じた。
— 勝夢酔 『安吾史譚』 青空文庫
大将分なる箸尾為国・為政・高春等の家筋と、この旅稼ぎの万歳法師らとの関係はいまだこれを詳らかにせぬが、常時その配下に属して各地に転戦した勇士の中には、この箸尾万歳の徒の祖先も必ず参加していたに相違ない。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫