船手
せんしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
即ちその中洲口から箱崎河岸、四日市河岸を通って、稲荷橋下から八丁堀を抜けて上って行く水路と、やや大廻りだが川を下に永代橋をくぐって、御船手組の組屋敷角から同じく稲荷橋へ出て、八丁堀へ上る水路とその二つでした。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
船手奉行の手で、川口の舟を調べはじめたのは、中一日置いた二十一日の晩からである。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
防戰の持場は赤間口、畝町、金出口、金出宿、宰府口、比惠の原、岩戸口、三瀬越、唐津口、生松原、船手と城内とに分けられた。
— 森鴎外 『栗山大膳』 青空文庫
末松子は台詞その他について二、三の訂正意見をのべ、一体その向井将監というのは著名の人物かどうかというような質問を提出すると、作者の桜痴居士を差しおいて、かの甲子屋萬蔵がすすみ出て、向井将監は後に徳川幕府の御船手の頭領になった人で、江戸中で知らないものはないと大いに弁明を試みた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
「曲者だ」 二三人が、警固の船手の方へ走出した。
— 直木三十五 『三人の相馬大作』 青空文庫
しんから途方にくれた鈴川源十郎が、五十両に魂を失って操り人形のように、仙台堀から千鳥橋を渡って永代に近い相川町、お船手組の横丁へでたときだった。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
場所は、永代橋へ出ようとする深川相川町のうら、お船手組屋敷の横で、昼でも小暗い通行人のまばらなところ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
深川の相川町、こちらから参りますと、永代を渡ってすぐの、お船手組お組やしきの裏手、さびしい往来でござりました」「ふうむ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫