飛弾
ひだん
名詞
標準
文例 · 用例
飛弾山の質屋とざしぬ夜半の冬 冬の山中にある小さな村。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
前に評釈した「飛弾山の質屋閉しぬ夜半の冬」と同想であり、荒寥とした寂しさの中に、或る人恋しさの郷愁を感じさせる俳句である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
鶴子は進が去年の暮あたりから或婦人雑誌に連載し出した小説を見た時、ふと六樹園の『飛弾匠物語』の事を思出して、娘の時分源氏の講義を聞きに行った国学者の先生が、いつも口癖のように今の文士にくらべると江戸時代の作者がどれだけ優れているか知れないと言ったことなどを夢のように思返した事もあった。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
と、重蔵の冷々たる小太刀は、焦らずさわがず、するすると寄るよと見る間に、「義によって助太刀ッ」 裂帛一声、身を剣につれて、飛弾の如く玄蕃の鬢のあたりへさッと飛んだ。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫