口受
くじゅ
名詞
標準
listening to someone talking
文例 · 用例
順吉は尾頭づきの魚の鹽燒に箸をつけて、何年ぶりでたべるかとわらひ、酒はお愛想に一と口受けただけで二人が話しかける言葉を口數すくなく受け流すのだつた。
— 島木健作 『第一義の道』 青空文庫
出た煙はじゅくじゅくした雨もよいに、真直ぐ空にものぼれず、ゆっくり横ひろがりになびいて、野面をすれずれに広がって行った。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
そこで今度は第三の門に来ましたが、ここはじゅくじゅくの湿地ですから、うっかりすると足が滅入りこみます。
— ストリンドベルヒ August Strindberg 『真夏の夢』 青空文庫
ああ、今は眼だけで炎えるじゅくじゅくと腐った肉塊もげ落ちたにんげんの印形コンクリートの床にガックリ転がったままなにかの力で圧しつけられてこゆるぎもしないその蒼ぶくれてぶよつく重いまるみの物体は亀裂した肉のあいだからしろい光りだけを移動させおれのゆく一歩一歩をみつめている。
— 峠三吉 『原爆詩集』 青空文庫
このぬめぬめの粘液体が厚くじゅんさいの新芽に付着しているために、じゅんさいは美食としての価値がある。
— 北大路魯山人 『洛北深泥池の蓴菜』 青空文庫
もう一度ベッドにもぐりこんで、昼ちかくまでゆっくり眠って元気をとりもどすと、研究に使った機械や道具を二度ともとにできないように、めちゃめちゃにしておき、ここからでていくじゅんびに取りかかった。
— ハーバート・ジョージ・ウエルズ 『透明人間』 青空文庫
鶴松太夫と申す舞のじょうずもおりましたが、いつもお供をおおせつかっておりましたおなさけにこんども御しょうばんをさせていたゞきますと申して、おさかずきをいたゞいて、ごさいごをみとゞけてから、ふくじゅ庵どのゝ介錯をつとめ、じぶんはお座敷よりいちだん下の板じきへさがって腹をきりましたそうにござります。
— 谷崎潤一郎 『盲目物語』 青空文庫
作例 · 標準
師匠からの口受を漏らさぬよう、弟子は一言一句を噛み締めるように聞いた。
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この流派の秘伝の技は、秘伝書には書かれず口受によってのみ継承される。
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「ふむ、口受で聞いた話と、古文書の内容が一致しましたな」と学者が頷いた。
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