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臓六

ぞうろく
名詞
1
標準
文例 · 用例
門のそとの石段のうえに立って、はるか地平線を凝視し、遠あかねの美しさが五臓六腑にしみわたって、あのときは、つくづくわびしく、せつなかった。
太宰治 狂言の神 青空文庫
よろしい」 男の略図のような単純な五臓六腑が生れてはじめて食物を送る為以外に蠕動するのが歯朶子に見えた。
岡本かの子 百喩経 青空文庫
鴨長明の方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁でしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑にしみ渡っているからである。
寺田寅彦 日本人の自然観 青空文庫
薫と酔が、ほんのりと五臓六腑へ染渡る。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
つい眼の前には板戸のごとき大肉俎の据られしに、犢大の犬の死体|四足を縮めて横われるを、いまだ全く裂尽さで、切開きたる脇腹より五臓六腑|溢出で、血は一面に四辺を染めたり。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
と同時にウイルスを、五臓六腑にたっぷりと送り込んでくれる。
富田倫生 青空のリスタート 青空文庫
臓六腑の煮え繰り返るような焦燥に駆られて、敬二郎は夜もろくろく眠ることができなかった。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫
臓六腑にしみわたる朝酒のほろ酔機嫌で!
種田山頭火 其中日記 青空文庫