詫び状
わびじょう
名詞
標準
文例 · 用例
多くの場合、書置きというたぐいのものは、この世に未練のある者が亡き後をかんがえて愚痴を書き残すか、あるいはこの世に罪のある者が詫び状がわりに書いて行くのであるが、二人はこの世に未練はなかった。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
あれからすぐ、貴殿に詫び状を入れようというので、拙者など、率先してゆくえを捜したが、どうも弱った。
— 新版大岡政談 『魔像』 青空文庫
今では十二、三通しか残っていないが、その中の一通に借金の詫び状がある。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
本店へは詫び状を出して、三千両は次の便船まで待って貰うことに決め、ともかくも一段落を付けたのは辰刻(午前八時)過ぎ、川一つ距てた組屋敷から、わざわざ同心の出役があって、検屍を済ませたのは辰刻半、浪花屋の内外は煮えくり返るような騒ぎです。
— 三千両異変 『銭形平次捕物控』 青空文庫
――昨夜はなんの咎もない人間に、理不尽な縄目をかけ、まことに相すまぬ落度であった――と、詫び状一札書いて渡せ」「ふざけるな。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
「盗ッ人でもねえ俺を、盗ッ人と間違えて、縄をかけやがッた凡くら与力だ、そいつは」「まだ吐ざくか」「いうとも、詫び状よこせ」「うぬっ。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
「あっ※ また今年もか」 梁中書の詫び状と、また事態の顛末を報じてきた一状をも併せ読んで、蔡大臣は、身をつき抜ける憤怒とともに、自己の誕生日が、二年もつづいて、賊に呪われた不吉感に、身の毛をよだてた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
恐ろしくって」「だからせめて、男には詫び状を書かせて、以後は決して致しませんと、拇印を捺させ、女は二つ三つしッぱだいて、自分の家へ連れて行ってからの処分とすればいいだろ」「そうだな。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫