金魚鉢
きんぎょばち
名詞
標準
goldfish bowl
文例 · 用例
忘れても二度と夏の夜の金魚鉢に木のふたをしないことである。
— 寺田寅彦 『藤棚の陰から』 青空文庫
金魚鉢のメダカが、鉢の底から二寸くらいの個所にうかんで、じっと静止して、そうしておのずから身ごもっているように、私も、ぼんやり暮しながら、いつとはなしに、どうやら、羞ずかしい恋をはじめていたのでした。
— 太宰治 『トカトントン』 青空文庫
植木鉢や、金魚鉢が、要所要所に置かれて、小ざっぱりした散髪屋である。
— 太宰治 『美少女』 青空文庫
縁側に吊した金魚鉢か何かのやうに、毀れ易く、庭の緑を映してゐるやうなものであつた。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
」 と左右を見つつ、金魚鉢を覗くごとく、仇気なく自分も視めて、「お分りになって、旦那。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
いつか、私は、井伏さんと一緒に、(何の用事だったか、いま正確には思い出せないが、とにかく、何かの用事があったのだ)所謂早稲田界隈に出かけたことがあったけれども、その時の下宿屋街を歩いている井伏さんの姿には、金魚鉢から池に放たれた金魚の如き面影があった。
— 太宰治 『『井伏鱒二選集』後記』 青空文庫
友人の部屋の扉をノツクしてから、廊下の東南の隅につるされてある丸い金魚鉢を見あげ、泳いでゐる四つの金魚について、その鰭の數をしらべた。
— 太宰治 『陰火』 青空文庫
初めは稗蒔の稗の、月代のやうに素直に細く伸びた葉尖を、フツ/\と吹いたり、※たけた顔を斜めにして、金魚鉢の金魚の目を、左から、又右の方から視めたり。
— 泉鏡花 『蠅を憎む記』 青空文庫
ウィキペディア
金魚鉢(きんぎょばち)とは、魚(主に金魚)の観賞を目的としたガラス製の鉢。
出典: 金魚鉢 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0